2025/12/14
(更新日:2026/01/1)
「なんとなく調子が悪いけれど、休むほどではない」「毎月のイライラは性格のせい?」 そんなふうに、自身の不調を「個人的な問題」として抱え込み、我慢していませんか?
女性はライフステージに応じて、心身に大きな変化を経験します。この変化を職場全体で理解し、適切に対応することは、誰もが長く能力を発揮し続けるための「環境づくりの鍵」です。
働く女性の健康問題は多岐にわたりますが、特に仕事との両立が困難になりがちなのは、主に以下の3つの時期です。
1. 月経・婦人科疾患(PMSなど) 多くの女性が経験する月経痛、頭痛、倦怠感。そして、月経前に精神的に不安定になる「月経前症候群(PMS)」。これらは毎月のパフォーマンスに大きく影響します。
【架空事例:30代 Aさんの場合】 毎月生理痛が重く、特に生理前はイライラや抑うつ気分で同僚との会話も億劫になっていたAさん。「性格の問題」と自分を責めていましたが、産業医面談で「PMSの可能性」を指摘されました。 その後、婦人科受診とカウンセリングを併用したことで、自分のリズムを把握できるようになり、心身ともに安定して働けるようになりました。
2. 妊娠・出産・育児期 つわりや切迫流産などの予期せぬ体調変化に加え、産後はマタニティブルーや産後うつといったメンタルヘルスのリスクも高まります。柔軟な働き方はもちろん、「心のケア」が離職防止の生命線となります。
3. 更年期(40代半ば〜50代半ば) 管理職として責任ある立場になる時期と重なるのが「更年期」です。 ホットフラッシュ(のぼせ・発汗)などの身体症状だけでなく、不眠・不安・意欲低下などの精神症状(更年期障害)が強く出ることもあります。「年齢のせい」と我慢して働き続けた結果、離職に至るケースも少なくありません。 これらは、ホルモン補充療法や漢方、そしてカウンセリングなどで緩和が可能です。
女性従業員が不調の波を乗りこなし、活躍し続けるためには、職場側の以下の取り組みが不可欠です。
① 「遠慮なく使える」制度と風土づくり 時間単位年休、時差出勤、テレワークなど、制度があるだけでな「突発的な体調不良でも使いやすい空気」が必要です。特に症状に波がある場合、周囲の理解が何よりの特効薬になります。
② 健康リテラシーと「相談のしやすさ」 女性自身がヘルスリテラシーを高めることはもちろん、男性管理職や同僚も女性特有の健康課題について知識を持つことが重要です。「知っている」だけで、不調への偏見はなくなり、適切なサポートができるようになります。
ここが非常に重要なポイントですが、婦人科系の不調やホルモンバランスの乱れは、ダイレクトに「メンタルヘルス」に影響します。 身体の辛さを我慢し続けることは、適応障害やうつ状態のリスクを高めてしまうのです。
以前よりミスが増えた
なんとなく元気がない
些細なことでイライラしている
これらは「やる気がない」のではなく、背景に女性特有の健康問題が隠れているサインかもしれません。ご自身で気づいた時、あるいは周囲がサインに気づいた時は、「大丈夫ですか?」の一言とともに、専門家への相談を勧めてみてください。
女性の健康問題への対応は、女性活躍推進だけでなく、すべての職員が働きやすい職場を作ることに繋がります。
もし今、身体の不調や、それに伴う心のモヤモヤを抱えているなら、一人で抱え込まずに「外部の資源」を頼ってください。 医療機関はもちろん、職場の産業医や、私たちのような「こころの専門家」もあなたの味方です。
「話すこと」で、自分自身の状態を客観的に整理し、次の一歩が見えてくることがあります。 心身の健康を土台に、あなたがあなたらしく働き続けるために。まずは気軽な相談、カウンセリングから始めてみませんか。
■参考ウェブサイト
厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」
