さがみはらカウンセリングルーム

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2026/03/20

【仕事・メンタルヘルス】適応障害で休職中。復職に向けた「リワーク」の心構え

「休職して体調は少し良くなったけれど、会社に戻ることを考えると動悸がする」「また同じように人間関係でつまずくのではないかと怖い」――。適応障害などで休職期間を過ごしている方から、こうした「復職への不安」や「今後のキャリアへの迷い」についてのご相談を多くいただきます。

心身を休めることは一番の治療ですが、いざ「次」を考え始めたとき、心は再び大きく揺れ動きます。

【架空事例】Kさん(30代 男性 ITエンジニア)のケース

Kさんは、数年前に部署異動をしてから、高圧的で当たりの強い先輩の下で働くことになりました。元々人に相談するのが苦手なKさんは、業務を一人で抱え込みがちになり、結果として「もっと早く相談しろ!」「尻拭いするのはこっちだぞ」と激しく指摘される悪循環に陥っていました。

「自分が悪いから頑張らなきゃ」と耐え続けて数年。次第に食欲がなくなり、通勤電車でめまいが起きるようになりました。在宅勤務(テレワーク)を導入し、勤務継続を試みましたが、オンライン上でも上司、先輩とのコミュニケーションや業務上の報連相が必要であることは変わりなく、末期には「人の声が不快に聞こえる」「外の光が眩しくて出たくない」といった感覚過敏も現れ、限界を迎えて産業医面談を受け、心療内科を受診して「適応障害」の診断で休職に入りました。

休職から数ヶ月が経ち、ゆっくり休んだことで日光や音への不快感は消えました。しかし、「人と話すのが怖い」という対人への苦手意識は変わらず、復職のことは考えられません。「このままではいけないと思うけれど、どうしたらいいか分からない」と、今後の気持ちの整理のためにさがみはらカウンセリングルームを訪れました。

休職して「症状」は落ち着いたけれど…

適応障害は、ストレスの原因(Kさんの場合は高圧的な先輩や職場の環境)から離れることで、めまいや不眠といった「身体的な症状」は比較的早く回復に向かうことが多い病気です。

しかし、症状が落ち着いたからといって、すぐに元の環境に戻れるわけではありません。「なぜあんなに追い込まれてしまったのか」「自分は人に頼るのがなぜあんなに怖いのか」といった、根本的な「人間関係のパターン」や「思考のクセ」がそのままでは、復職してもまた同じように適応できなくなる(再休職する)リスクが高くなります。

復職(リワーク)に向けた3つの心構え

復職や今後の方向性を考える時期には、以下の心構えを持つことが大切です。

1. 「元の自分」に戻ろうとしない  休職前の「無理をして頑張りすぎていた自分」に戻るのが復職ではありません。自分の限界を知り、無理のない働き方を再構築し、その実践ができるように準備することがゴールです。

2. 自分の「トリガー」を知る  Kさんのように「怒られるのが過剰に怖い」「人に相談できない」といった自分の特性や、ストレスの引き金(トリガー)になる状況を客観的に把握することが重要です。

3. 「復職」以外の選択肢もテーブルに乗せる 必ずしも元の職場に戻ることだけが正解ではありません。休職期間は、自分の人生やキャリアを立ち止まって見つめ直すための大切な時間でもあります。異動の希望、あるいは転職という選択肢も含めて、ゼロベースで整理しても良いのです。

さがみはらカウンセリングルームでできること

一人で部屋にこもり「これからどうしよう」と考え続けると、どうしてもネガティブな堂々巡りに陥ってしまいます。

当ルームでは、Kさんのように「まだ復職は考えられないけれど、気持ちを整理したい」という段階でのご相談も多く承っています。これまでの働き方の振り返りや、休職中の過ごし方、そして今後の方向性について、心理士が客観的な視点から一緒に整理し、あなたにとって最善の「次の一歩」を見つけるお手伝いをいたします。

焦る必要はありません。まずは安全な場所で、今抱えている不安や迷いを言葉にしてみませんか。

キーワード: 適応障害、休職、復職、リワーク、人間関係の悩み、上司が怖い、相談できない、感覚過敏、キャリアの悩み、産業医