さがみはらカウンセリングルーム

column

2026/03/20

【職場・人間関係】上司が怖い…それ、実は「親」の影響かもしれません。20代女性に見る「親子関係が今の生活に再現される」心理

「職場の男性上司が怖くて、前に立つと頭が真っ白になる」「ただの業務連絡なのに、怒られているように感じて萎縮してしまう」――。そんなお悩みはありませんか?

周りの同僚は普通に上司と雑談しているのに、なぜか自分だけが過剰に怯え、ビクビクしてしまう。それはあなたが「弱いから」でも「仕事ができないから」でもありません。心理学的に見ると、目の前の上司に「過去の誰か」を重ね合わせている可能性があります。

【架空事例】Iさん(26歳 女性 事務職)のケース

Iさんは大学卒業後、現在の会社に入社して4年目になります。仕事にも慣れてきた頃、部署異動で50代の男性が新しい上司になりました。その上司は少し声が大きく、ハキハキと指示を出すタイプですが、決して理不尽なパワハラをするわけではありません。

しかし、Iさんはその上司に話しかけられるだけで動悸がし、些細なミスを指摘されただけで「私という人間を全否定された」ように感じて、トイレで泣き崩れるようになってしまいました。「申し訳ありません!」と過剰に謝りすぎ、上司からも「そんなに怯えなくても…」と困惑される始末。夜も上司の顔が浮かんで眠れず、「自分がダメな人間だからだ」と深く落ち込み、さがみはらカウンセリングルームにご相談に来られました。

上司の背後に「父親」を見ている?「人間関係の再現」という心理

カウンセリングでお話を伺っていくと、Iさんの成育歴が見えてきました。Iさんの父親は非常に厳格で、機嫌が悪いと大声で怒鳴る人でした。Iさんは子どもの頃から、父親の足音が聞こえるだけでビクッとし、「怒られないように、機嫌を損ねないように」と常に顔色をうかがう「いい子」として育ってきたのです。

ここで起きているのが、臨床心理学でいう「転移(てんい)」という現象です。

転移とは、過去の重要な人物(多くは親)に対して抱いていた感情や態度を、現在の目の前にいる別の人物(上司や教師、パートナーなど)に対して、無意識のうちに向け、再現されることを指します。

Iさんの心(脳)は、少し声の大きい50代の男性上司を目の前にした瞬間、無意識のうちに「あの怖い父親だ!」と誤作動を起こし、子どもの頃の「怯えてフリーズするしかなかった自分」にタイムスリップしてしまっていたのです。

過去のメガネを外し、「今」を生きるために

上司が怖いのは、あなたが現在の職場で「大人の女性」として対応しているからではなく、心の中の「傷ついた小さな女の子」が、目の前に巨大な父親の幻を見て震えているからです。

このような「転移」が起きている場合、いくら仕事のスキルを上げたり、コミュニケーションの本を読んだりしても、根本的な恐怖心は拭えません。

さがみはらカウンセリングルームでは、このようなお悩みに対して以下のようなアプローチを行います。

  1. 気づきを得る: まずは「目の前の上司は、お父さんではない」という事実を、理屈だけでなく心で腑に落とす作業をします(過去と現在の切り離し)。

  2. 感情の整理: 子どもの頃に「怖かった」「もっと優しくしてほしかった」という、抑え込んできた本当の感情(未消化の感情)を安全な場所で吐き出し、癒やしていきます。

  3. 新しいパターンの学習: 「大人の自分」として、上司と適切な距離を取り、対等にコミュニケーションをとる方法(アサーションなど)を練習します。

さがみはらカウンセリングルームでできること

「上司が怖い」という感情の裏には、あなた自身も気づいていない成育歴の傷が隠れていることが少なくありません。Iさんもカウンセリングを重ねることで、「上司はただの『職場のオジサン』であって、私を支配する父親ではない」と切り離せるようになり、徐々に動悸や過剰な謝罪がおさまっていきました。

「なぜこんなに人間関係で疲れてしまうのだろう?」と不思議に思ったら、それはあなたの心からのSOSです。一人で抱え込んで退職や休職に追い込まれる前に、ぜひさがみはらカウンセリングルームの心理職にご相談ください。あなたの生きづらさの「本当の理由」を、一緒に見つけていきましょう。

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