さがみはらカウンセリングルーム

column

2026/03/20

「いつもイライラしてパートナーに当たってしまう」「一度怒りに火がつくと自分でもコントロールできず、暴言を吐いたり、衝動的な行動に出て後悔する」――。そんな「怒り」の感情に振り回され、お悩みではありませんか?

怒りを抑えきれない自分を責めてしまう方は多くいらっしゃいますが、実はその激しい怒りの下には、全く別の感情が隠れていることが少なくありません。

【架空事例】Hさん(30代 女性)のケース

Hさんは、感情の波が激しくなりつつも、気分の落ち込みから回復し、ようやく生活が安定しかけていた矢先、育児問題やパートナーとの不和が重なり、心身ともに限界を迎えていました。

それ以来、Hさんの状態は急変しました。パートナーとのコミュニケーションのたびにフラッシュバックが起き、激しい怒りが爆発するようになりました。時には物を投げたり、手を出してしまったりすることもありました。最近は服薬で少し落ち着いているものの、「今は我慢しているだけで、いつかまた爆発してしまうのではないか」「何が私をここまで狂わせるのか知りたい」と、主治医の勧めでさがみはらカウンセリングルームを訪れました。

怒りは「二次感情」であるという事実

アンガーマネジメント(怒りへの自己理解と対処術)において、最も重要な考え方の一つが「怒りは二次感情である」というものです。

怒りは、突然何もないところから湧いてくるわけではありません。心の中にある「コップ」に、マイナスな感情が少しずつ溜まっていき、それが溢れ出した時に初めて「怒り」となって現れます。このコップに溜まっていた本来の感情を「一次感情」と呼びます。

一次感情の正体は、「悲しみ」「不安」「寂しさ」「虚しさ」「困惑」などです。

怒りの下にあった「本当の悲しみ」に気づく

Hさんの激しい怒りの下には、どのような一次感情が隠れていたのでしょうか。

カウンセリングを通してHさんが見つめ直していったのは、「パートナーとの不和への怒り」だけではありませんでした。その奥にあったのは、「自分が一番大変で、助けてほしかった時期に、一番の味方であるはずの夫を頼れず、孤立感をいだいていたという『深い悲しみ』と『絶望』」でした。

さらに深く掘り下げていくと、Hさんの心の底には、幼少期の家庭環境で十分に満たされなかった愛情(愛着)への渇望がありました。「今度こそ、ありのままの自分を愛して守ってくれるはずだ」とパートナーに強く求めていたからこそ、それが叶わなかった時の反動が、コントロールできないほどの激しい怒りとなって爆発していたのです。

アンガーマネジメントの目的と進捗

怒りをただ我慢して抑え込もうとすると、コップの水はいつか必ず限界を超え、大爆発を起こします。服薬で一時的に波を抑えることはできても、根底にある感情を見つめなければ、根本的な解決にはなりません。

アンガーマネジメントの真の目的は、「怒らない人間になること」ではなく、「自分の怒りの下にある一次感情(悲しみや寂しさ)に気づき、それを適切な言葉で伝えること」です。

Hさんはカウンセリングを通じて、パートナーに怒りをぶつける代わりに、「私はあの時、助けてもらえなくて本当に悲しかった」「見捨てられたようで寂しかった」と、自分の脆い部分を言葉にする練習を始めました。自分の本当の感情に気づき、それを言語化できた時、Hさんを縛り付けていた激しい怒りのトゲは、少しずつ丸みを帯びていきました。

さがみはらカウンセリングルームでできること

「怒り」は、あなたが傷ついていることを教えてくれる大切な防衛反応でもあります。しかし、それに振り回されて自分自身や大切な関係を壊してしまう前に、一度立ち止まってみませんか。

さがみはらカウンセリングルームでは、アンガーマネジメントの考え方や認知行動療法などを取り入れながら、あなたの怒りの奥にある「本当の気持ち」や「過去の傷」を安全な場所で一緒に紐解いていきます。「なぜこんなに怒ってしまうのか分からない」と悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。

キーワード: アンガーマネジメント、怒りのコントロール、フラッシュバック、二次感情、悲しみ、愛着、トラウマ、感情の波、認知行動療法