さがみはらカウンセリングルーム

column

2026/07/20

「働き続けること」をあきらめないために ~メンタルヘルス不調と向き合い、自分らしい働き方を見つけるための両立支援~

「最近、仕事へ行くことがつらくなってきた。」

「休職したほうがいいのか、それとも頑張り続けるべきなのか分からない。」

「復職しても、また同じことを繰り返してしまうのではないか。」

このようなご相談は近年増えています。

働く人のメンタルヘルスへの関心が高まるなか、企業でも「治療と仕事の両立支援」への取り組みが進められています。

ここでいう両立支援とは、「無理をして働き続けること」ではなく、その人の体調や状況に応じて、仕事と生活のバランスを整えながら、自分らしく働き続けるための支援です。

以下に、実際の相談内容をもとに、個人が特定されないよう十分に加工・統合した架空事例をご紹介します。


【事例1】「頑張り続けること」が当たり前だったAさん

30代のAさんは、責任感が強く、周囲からも信頼されている会社員でした。

異動後、仕事量や対人関係の変化が重なり、疲労感や眠りにくさが続くようになりました。

「もっと頑張らなければ」

「迷惑はかけられない」

そう思いながら働き続けていましたが、朝になると職場へ向かうことが苦痛になり、医療機関を受診するとともに、カウンセリングを利用されました。

カウンセリングでは、これまでの働き方や人との関わり方を振り返り、

  • 人に頼ることが苦手
  • 完璧を目指しやすい
  • 「断ること」への苦手意識

など、ご自身の特徴が少しずつ整理されていきました。

さらに、必要に応じて心理検査も実施したところ、「責任感が強く、自分に厳しい傾向」などが客観的に整理されました。

その結果を踏まえながら、主治医や職場とも相談し、業務量や働き方の調整ができたことで、以前よりも無理のないペースで仕事を続けられるようになりました。


【事例2】休職をきっかけに「自分の特性」を見つめ直したBさん

40代のBさんは管理職として勤務していました。

多忙な毎日が続くなかで心身の負担が積み重なり、休職することになりました。

当初は、

「早く復職しなければ」

という焦りが強く、十分に休養を取ることが難しい状態でした。

カウンセリングでは、自身のこれまでの働き方や価値観、生育歴などを丁寧に振り返りました。

また、心理検査を活用して認知特性や仕事の進め方の特徴を整理したところ、

  • 同時に複数の業務を進める場面で負担が大きくなりやすい
  • 疲労が蓄積していても気づきにくい
  • 高い責任感から無理を続けやすい

など、自分自身の特徴を客観的に理解することができました。

Bさんは、

「能力が足りなかったのではなく、自分の特徴に合わない働き方を続けていた部分もあった」

と受け止められるようになり、主治医や会社と相談しながら段階的に復職を進めました。

現在は、業務内容や働き方を職場と調整しながら、自分らしいペースで仕事を続けています。


「相談すること」は、働き続ける力につながる

メンタルヘルスの不調を経験した方の多くは、

「自分が弱いのではないか」

「もっと頑張ればよかった」

と自分を責めてしまいます。

しかし実際には、真面目で責任感の強い方ほど、自分の限界に気づかないまま無理を重ねてしまうことも少なくありません。

また、不調の背景には、

  • 職場環境
  • 人間関係
  • 考え方の傾向
  • ストレスへの対処方法
  • 認知特性
  • これまでの経験

など、さまざまな要因が影響していることがあります。

カウンセリングでは、現在の困りごとを整理するだけでなく、「これからどのように働いていきたいか」「自分らしい働き方とは何か」を一緒に考えていくことができます。

必要に応じて心理検査を活用することで、ご自身の強みや特徴を客観的に理解し、仕事との付き合い方を見直す手がかりになる場合もあります。


「働き続けたい」という思いを大切に

「休職したほうがいいのか迷っている」

「復職後の働き方が不安」

「今の仕事が自分に合っているのか整理したい」

「心理検査を通して自分の特徴を知りたい」

そのような思いをお持ちの方は、一人で抱え込まず、早い段階で専門家へ相談することも一つの選択肢です。

さがみはらカウンセリングルームでは、臨床心理士・公認心理師が、お一人おひとりのお話を丁寧に伺いながら、必要に応じて心理検査も活用し、ご自身の特徴や現在の状況を整理するお手伝いをしています。

働き続けることをあきらめるのではなく、「自分らしく働き続ける方法」を一緒に考えること。

それが、私たちが大切にしている両立支援の考え方です。